階段下のがらくた部屋

ハリー・ポッターの感想・考察から日々の雑事まで。だったのが色々あって将棋とか。

スポンサーサイト  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

tb: --   cm: --

Yoshiharu Habu the Shogi legend in Switzerland  

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

さて、あいさつもそこそこに本題へ。
ここ数年恒例になっている、羽生名人の年末年始欧州チェス行脚、今回はスイスです。

12/26〜30 チューリヒクリスマスオープン
1/1〜5 バーゼルチェスフェスティバル
(※ドイツ語)

現地スイスの新聞Tages Woche紙に羽生名人の記事が掲載されましたので、
ドイツ語→(google翻訳)→英語→日本語と訳したものを載せます。

私の英語力はあくまでハリポタを全巻原書で読める程度、ですので
まあざっとこんな感じのことが書かれているのだなと思っていただければ。
より正確な訳のご指摘など歓迎いたします。

※コメントで指摘をいただき、それをもとに修正しました。ご指摘ありがとうございます!(20161/6)


文中(※)で書かれている箇所は訳注です。

掲載元:
Yoshiharu Habu – die unerkannte Legende in Riehen - Tages Woche

------------------------------------------------------------------------------------------------------------

【羽生善治 - 知られざるレジェンド、リーエンに】

2016.1.4 10:46

日本のレジェンドである。
羽生善治はリーエンで開催中のバーゼルチェスフェスティバルでチェスを満喫中だ。
将棋とチェス、どちらがより難しいのか。インタビューを交えてお届けする。
(記事:Hartmut Metz)

[ 写真 ]
あまり芳しくなさそうな様子の羽生善治。リーエンにて日本人はArkadij Naiditschに敗れた。(写真:Hartmut Metz)


「とても勉強になりました。非常に貴重な経験でした。」羽生善治は静かにそう答えた。
人当たりの良さそうなその日本人は、バーゼルチェスフェスティバルでの世界的なグランドマスターでトッププレイヤーであるArkadij Naiditschとの対戦を堪能した。「ドローに持ち込めるかなと思っていましたが、結局ダメでした。」羽生はトップボードでの第2ラウンドをそう振り返った。

この謙虚な日本人はクリスマスオープンに参加するため、はるばるチューリヒまでやって来て5/7ポイント獲得し同率7位に入り、その後新年を迎えたリーエンへと移動した。ホテルLandgasthofで日本のトッププレイヤーである45歳の男はリスト14位に入り、現在2/4ポイントで参加者56人のうちの中の上につけている。観衆がステージ上のグランドマスターたちに湧いて注目する中、下のフロアではチェスの兄弟である将棋のレジェンドが人知れず座っていた。羽生善治は将棋におけるマイケル・ジョーダンだ。野球におけるアメリカバスケ界のスーパースターのごとく、眼鏡の好人物は別のスポーツの世界へと遠征してきたのだった。

[ 羽生善治は将棋界のマイケル・ジョーダン ]


最優秀棋士賞受賞20回。日本での記録は伝説だ。
1985年14歳(※15歳)、所沢出身の神童は四段昇段し栄光のプロ入りを果たし、さらなる階段を上った。そして19歳で最初のタイトルを獲得し、それ以来四半世紀にわたり常に1冠以上のタイトルを保持している。(※正確には90年11月26日〜91年3月18日は無冠の前竜王だった)それだけではない。二女(16歳と18歳)の父親は、現在まで唯一無二である七冠制覇を成し遂げたのだ!通算獲得タイトル数は孤高の93期(※94期)にのぼる。

「チェスと同じように将棋でも20〜30代が指し盛りで、40代では厳しくなってきます。」だが羽生は現在もなお毎年約1億円の賞金を獲得している。
1996年に東京で女優・歌手の畠田理恵と結婚し、2014年度には945,000フラン(※11,499万円)の稼ぎをあげている。加えて、講演料や定跡書など数えきれないほどの出版物による印税収入もある。
バーゼルチェスフェステバルの優勝者には火曜の第7ラウンドを終えれば賞金2,500スイスフラン(※約30万円)が与えられるが、彼にとってはポケットマネーに過ぎない額だ。

[ 写真 ]
羽生は将棋ではあっという間に100万ドルを稼ぎ出す。(写真:Hartmut Metz)

リーエンに移動したのも、「考えるのが好きなんです。新たな発見もありますし」と語る九段の男の言葉は時に哲学的だ。
自国でチェスをプレイする機会はほとんどなく、日本におけるチェスの存在は盆栽のようにいまだ小さい。
「約1,000万の将棋人口があって、そのうち10万人ほどがアクティブプレーヤーですが、チェスの大会はほとんどありません。なので去年と一昨年も渡欧して2つの大会に参加しました。」と羽生。
そのような状況にも関わらず、将棋のレジェンドがチェスで見せる強さは信じがたいほどだ。国際レイティングは約2400、これは国際チェス連盟(FIDE)が与えるうちで2番目に高い称号であるインターナショナル・マスター(IM)相当の実力だ。

この気さくで友好的なスターがチェスを学んだのは25歳だったという事実は、彼の才能をより浮き彫りにするだろう——今日のトッププレーヤーたち、世界チャンピオンのマグヌス・カールセン(ノルウェー)などが現在その年齢であり、彼がグランドマスターになってからも10年以上が経っている。
西洋のレジェンドたちを引き合いに出された羽生は微笑んだ。彼はアメリカのボビー・フィッシャーを一番に挙げる。世界チャンピオンであったフィッシャーが1972年に著した本の中に新しい64マスの世界を見たからだという。

[ 映画のボビー・フィッシャー:トビー・マグワイヤ演じる精神を病んだ天才としてのチェス・レジェンド—TagesWoche紙の8ポイント映画レビュー ]


本業と趣味の2つのゲームを混同してしまうリスクを、彼は意に介していない。「同じ日に両方やるのは無理ですが、そうでなければ」と羽生は応じた。
羽生が160人のプロ棋士の中で30年もの間、凋落の危機に瀕することもなくその地位を維持しているのに、チェスは貢献しているのかもしれない。
貴重なプロの座を若い才能に与えるため、老練の高段者、すなわち勝ち星から遠ざかった者は強制的に引退させられる。

チェスと将棋、2つの近縁のゲームは羽生に相乗効果をもたらしているようだ。「チェスをやっていて学んだことは、手を渡すこと、です。」将棋は玉将を詰ますことでのみゲームが終わるため、終盤に向けてより速度を増し激しくなっていく。一方のチェスは、バーゼルのトーナメントでもそうであるように、対戦相手の狙いを見極めるための穏やかな手が有効手になることも多い。「チェスを実際にやってみるまでは、将棋と似たようなゲームだと思っていました。」将棋ではビショップ(※角)はナイト(※桂馬)よりもはるかに強い駒だ、と羽生は両者に共通する駒を比較した。

コンピュータソフトも台頭してきているが、もう長らく人間に勝ち目のなくなったチェスほどではない。「アンチ・コンピュータ戦略をよく研究すればまだ将棋は対抗できます。詰将棋と呼ばれるプロブレムに関してはすでにコンピュータのほうが強い。5年前に初めて将棋ソフトがプロ棋士を負かしました。現在は五分というところでしょうか」今や膨大な定跡データベースが将棋でも蓄積されてきているが、それでも電脳が人間を圧倒するにはまだ至っていないと羽生は語る。その一方で羽生は将棋をゲームや頭脳スポーツというよりも、日本の伝統文化の一部であるとみなしている。どちらが「複雑」か、とは彼は答えなかった。

レジェンドが旧時代の遺物と成り果ててその晩節を汚さぬようにと引退を考えることは?それはもしかしたらタイトル通算100期の金字塔を打ち立てた後だろうか?

彼はふたたび透き通るような微笑みを浮かべた。「わかりません。気持ちが続く限りは、と。私はせいぜい1年とか2年先のことしか考えていないんです。自分がいつまで力を保っていけるかどうか、ですかね。」


スポンサーサイト

category: チェス

tb: 0   cm: 8

コメント

素晴らしい翻訳ありがとうございます!

Twitterで流れてきた元記事を読んで、翻訳してみようかな~と思っていた者です。
ただ、ブログもやっていませんので公開先に迷っていましたところ、
こちらですでに翻訳されているとのことで、飛んでまいりました。

とてもこなれた訳で、楽しく読ませていただきました。
当方は、ドイツ語から直接訳しておりましたので、
比較的重要ないくつかの点について、以下の指摘でお役に立てればと思います。

1.友好的な日本人たちは~堪能した
→「友好的な日本人」は、羽生さんのこと。羽生さんが、GMとの対局を楽しんだという趣旨かと。冠詞のdenはおそらくder(主格)のミス。

2.スポンサーのくだりは、本がスポンサーを獲得してくるという趣旨ではなく、「スポンサー料(CMとか?)+本の印税がそれ(=獲得賞金)に加わる」という趣旨で書かれています。

3.「100万ドルに値する」は、「将棋では、彼はあっという間に約100万ドルを稼ぎ出す」という趣旨です。

4.「リーエンに移動後」の部分は、「彼がリーエンを訪れたのは、以下の理由による」という意味です。

5.将棋人口の「数千万」は、一千万です。(zehn Millionen)

6.「実力を遺憾なく発揮」の部分は、「それにしては(=日本のチェス界の状況を考えれば)、彼は信じられないぐらい強い」という意味です。(dafuer...unglaublich stark)

7.「才能を客観的に」の部分は、「彼がチェスを学んだのが25歳だったということを考慮に入れると、さらに相対的に彼の才能を測ることができる」の趣旨です。

8.1972年の世界選手権~のくだりは、「世界チャンピオンであったフィッシャーが1972年に著した本」の意味でしょうか。

9.「言い添えた」の部分は、「両方を同じ日にやりさえしなければ大丈夫です」と言い切った、という雰囲気です。

10.チェスと将棋の比較の部分は、「将棋が終盤に速度を増すのに対して、バーゼルの大会においては(つまり、チェスでは)、相手が考えていることを洞察するために、穏やかな手を指すことも合理的な選択になる場合が多い」、という意味です。

11.「電脳」のくだりは、「膨大な定跡データバンクが将棋にも蓄積されてきているが、それでも(チェスほどには)電脳(=コンピュータ)が圧倒する状況にはない」、という意味です。

12.「偶然性~」の部分は、機械翻訳が悪さをしているようですね。「一方で羽生は、将棋をDenksport(パズル、思考スポーツ)というよりもむしろ、日本の文化の一部とみている」、という意味です。

URL | 某らいおん #-
2016/01/06 10:45 | edit

Re: 素晴らしい翻訳ありがとうございます!

>某らいおんさん

こちらこそ大変丁寧なご指摘ありがとうございます!
私は英語も怪しいうえドイツ語はまったくわからないので、かなり雰囲気で訳した部分が多く、ご指摘いただいてとても助かります。
自分で書いていて腑に落ちなかった部分もおかげさまですっきりしました。

のちほどいただいたご指摘をもとに記事を修正したいと思います。
本当にありがとうございました。

URL | もりやん #1wIl0x2Y
2016/01/06 12:27 | edit

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

 |  #
2016/01/06 18:50 | edit

素晴らしい記事です!

ドイツ語の記事の翻訳、お疲れ様です。
そして、ありがとうございます!
とても興味深く面白い記事でした。

海外でも記事になる羽生さんはすごいですね。
また、海外の記事があれば紹介して欲しいです。


素晴らしい記事でした!

URL | おぼろ #-
2016/01/06 19:20 | edit

Re: 翻訳作業ありがとうございます

>通りすがりの将棋好きさん

丁寧なご感想とねぎらいのお言葉ありがとうございます。
元の記事がとても素晴らしいものでしたので、
ぜひ日本の将棋ファンも読めるといいなあと思い、拙いながらも訳してみました。
喜んでいただけたようでなによりです。

URL | もりやん #1wIl0x2Y
2016/01/06 21:51 | edit

Re: 素晴らしい記事です!

>おぼろさん

コメントありがとうございます。
喜んでいただけたようでなによりです。
お一人でふらっと訪れた場所で記事になってしまうというのは、確かにすごいことですよね(笑)
ご指摘をいただいて記事を修正しましたので、もしよろしければ再度ご覧いただけたら幸いです。

URL | もりやん #1wIl0x2Y
2016/01/06 21:55 | edit

2ch名人というサイトからとんできました。
羽生善治というレジェンドが海外からどのように見られているのか、非常に興味深かかったです。

URL | 茜 #-
2016/01/07 05:16 | edit

Re: タイトルなし

>茜さん

コメントありがとうございます。
たしかに海外からの視点はとても新鮮ですね。
今回は特に破格の扱いで嬉しくなります。

URL | もりやん #-
2016/01/07 20:53 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://greeny.blog7.fc2.com/tb.php/417-889398ac
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。