階段下のがらくた部屋

ハリー・ポッターの感想・考察から日々の雑事まで。だったのが色々あって将棋とか。

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将棋文化振興自治体「全国将棋サミット2014」 羽生善治三冠特別講演  

1月25日は千葉県野田市で開かれた将棋文化振興自治体「全国将棋サミット2014」へ行ってきました。
参加動機は羽生さんの特別講演があるから…で、正直参加前は内容をよく把握していなかったのですが
将棋にゆかりのある各地方自治体の代表の方々のお話しもとても興味深く
大変充実した内容で、有意義なサミットでした(^^)
そんなにしょっちゅう地方遠征できるわけではないので、
せっかく行くんだったら将棋に力を入れてくださっている自治体をぜひ訪れてみたいと思いました。

第一回ということで、サミットというには意見交換とか質問とかそういう場がなかったなあなどありますが
第二回第三回と続いていく中でより良いものになっていくのではないでしょうか。


さて。羽生さんの特別講演は45分間。
昨日栃木でタイトル戦を戦って、そのまま野田市へ直行です。
まあ、確かに一度ご自宅に帰られたらかえって遠回りですよね…。
45分間時間ぴったり、原稿を読むのでもなく(時々メモは参照されてた)、言葉に詰まることもなく、
流れるように滑らかに、しかも誰にもわかりやすく趣旨にも沿っていて内容の濃い完璧な講演でした。
「人前で話すのが今でも苦手」とおっしゃるのが信じられない講演スキルの高さです…。

そんな密度の高い講演内容を記憶を掘り起こして書いてみました。
メモなど取ってなかったので、順番はもちろん内容も記憶違いがあるかもしれません(というか絶対ある)。
前半が特に思い出せなくて、どういうお話をされていたか…(>_<)
思い出したら追記しようと思います。

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将棋文化振興自治体「全国将棋サミット2014」
羽生善治三冠特別講演


■谷川会長のあいさつにて
「羽生さんはもう100回以上タイトル戦を戦っていると思いますが47都道府県を全制覇した、というのももう10年前でしたか。
今回の将棋文化振興自治体「全国将棋サミット」での講演でこの人以外に適任はない、と思いました」


■羽生三冠の講演箇条書き

・全国、北は北海道から南は沖縄まで回りました。

・ここ野田市出身の関根金次郎十三世名人の功績は偉大。
・江戸時代に大橋宗桂が徳川家康から扶持を与えられて以来、名人は大橋家と伊藤家の間で家元として代々世襲されてきた。
・それを関根金次郎先生が実力制へと改革されたのは大英断。
・実力制への移行はほかのどんな(家元制の)世界にもない、将棋界だけの画期的な改革。

・ただ改革をして古いものを捨てて新しいものにしていくのがいいということではない。
・将棋にはタイトル戦は和服で戦う点であったり、駒の並べ方も大橋流または伊藤流で並べるなど、日本文化としての慣習が生きている。
・特にルールとして明文化されているわけでも義務でもない。だが明文化されることなく慣習、文化として続いているということが大切。
・○○先生(※忘れた)は△△先生(※忘れた)の対局姿を見て棋士になりたいと思ったそうです。勝ち負けであったりゲームとしての面白さというのももちろんあるが、文化としてのそういう側面は大切なこと。

・将棋はインドのチャトランガというゲームが発祥。西に伝わってチェスとなり、東に伝わってアジア各国で各地の将棋となった。
・インドにもタイにも中国にも朝鮮半島にも、モンゴルにもそれぞれの将棋がある。
・中には廃れつつあるものもあるが、先人の知恵によってさまざまな工夫がされ、長い年月の間で淘汰されて面白いものが残り、現在に至っている。

・チャトランガは二人でやるすごろくみたいなゲーム。
・インドの王様が戦争好きで困っていた部下が、王様に本物の戦争する代わりにと考案したと伝えられている。

・日本へ伝わったのは、はっきりとした資料が残っていないが1000~1500年前。経緯は貿易を介しているということが明らか。
・それは駒を見ると分かる。金将銀将はそのまま金銀、桂香は香辛料。そして王様は、これは昔は王という駒はなく、両方とも玉、つまり宝石のことだった。これらはすべて当時の主要貿易取引品。つまり海を越えて貿易を介して将棋も伝わってきたと考えられる。

・日本の将棋は将棋的ゲームの中で唯一取った駒を使える、というルールがある。
・現代はリユース、リサイクル、というのが世の中の大きなテーマとしてあるが、そういう点で将棋は駒をリサイクルして何度でも使うので現代的感覚と合っているのではないか。

・将棋は日本文化として他のものとの共通項がある。
・それはどんどんコンパクトにしていくという点。
・俳句や短歌は限られた字数の中で表現することであらわされる情感というものがある。
・能はあえてお面をつけて表情を見えなくすることで、逆に表現しうるものがある。
・今は9×9の81マスの盤だが、昔はもっと大きかった。
・将棋と並んで人気のあるゲームの囲碁は、盤面を広くしていくことでゲームとしての面白さを高めてきた側面がある。

・逆に将棋は昔は大きな盤と、たくさんの駒でやっていたのを、どんどん小さく、駒も少なくしていったことで面白さを高めた。
・以前トリビアの泉でその昔の将棋を再現してプロ棋士が対局するという番組の企画があった。
・1日たっても2日たっても全然終わらない。3日目にはお互い協力してとにかく終わらせよう、ということになった。
・いくら面白いと言ってもこんなに時間がかかるのでは、普及という点では難しい。

・こういった「コンパクトにしていく」というのは伝統的なものに限るのではなく、現代日本にも生きている。
・たとえば若い人たちがセブン・イレブンを「セブン」と言ったりファミリーマートを「ファミマ」と言ったり、言葉を省略するなどはそういった現れと見ることができるし、ツイッターの流行などもそうだ。
・なぜ140文字しか書くことのできないものをあれだけの人が利用するのか。
・そういった「コンパクトにしていく」というのが日本人の感性とマッチしているのだろう。

・将棋を楽しむということの基本は縁台将棋であると考えている。
・今はもう縁台そのものがなくなってしまったが、昔は夏の夕涼みに縁台へ出て将棋を指し、近所の人が集まって老若男女を問わないコミュニティが形成されていた。

・将棋の競技人口、というのは実は非常に把握しづらいのではないかと思っている。
・表に出ないでひっそりと近所の仲間だけで毎日将棋を指したりとか、たとえばタクシー運転手の人とか夜勤の人が、仕事の合間の休憩時間にちょこっと指す、などの潜在的愛好者が多いのではないか。
・今回集まってくださったような将棋に力を入れる地方自治体のさまざまな取り組みによって、そういった潜在的愛好者の方々もイベントに参加したり、あるいは運営に携わってくださったり、そういう効果も期待できるのではないか。

・以前警察関係の人から聞いた話でこんなことがあった。
・110番がかかってきて駆け付けたところ、お年寄りが”腰が痛くて布団があげられない”と訴えたという。
・職場に戻ってからその人は上司に、こういう場合はどうするのが良かったのかと尋ねたところ
・”確かに職域外だけど、人としては正しいことをした”と答えたそうだ。
・明らかに職務外であるし、本来110番通報をそういうことに利用してはいけない、というのは正しいが、たとえば近所づきあいであるとか、趣味仲間がいるとか、そういう存在があればそのお年寄りも110番にかけなくて済んだのではないか。
・将棋は年齢や世代に関係なく楽しめるゲームであるし、そういうコミュニティを形成するのにも適しているのではないかと思う。

・以前認知症の人と将棋を指す機会があった。
・その人は将棋は指せるのだが、しばらくするとどちらの手番かわからなくなってしまう。
・数手進むと止まって動かなくなってしまうので、付き添いの人に「○○さんの手番ですよ」と言われると私のほうを見て「あんたの手番だろう」と言ってくるので「いえ、私の手番ではありません」と答えるというやり取りが続いた。
・しかしその人が指す手はちゃんと理論に基づいて指されていたし、確かに展開を考えていた。目を見ると考えている目をしていた。
・将棋をすることで認知症が改善するなどということはないが、でもどんな状況であっても何かを考える、というのはとても大切なことだと感じた。

・原田先生が揮毫されていた言葉に「三手の読み」というのがあった。
・プロ棋士は何百何千の手を読むのだろうとよく言われる。
・何百何千の手を読むのは時間をかければ可能だが、いくら先をたくさん読んだとしても2手目で間違っていたらまったく意味がない。
・3手読むのなんて簡単だろうと思われるかもしれないが、この2手目というのが難しい。
・一手目は自分が指すのだから何を選んでも自由だが、相手はこちらの思うとおりに指すわけではない。
・相手の立場に立って自分の価値観で考えるのではダメで、これは読み間違える。相手の立場にたって相手の価値観で考えなくてはいけない。

・将棋には感想戦というものがある。
・対局が終わった後で対局者同士が「ここはどうでしたかね」や「こうやられたら困りました」などと意見を交わしあう。
・私が知る限り対局後ただちに感想戦をほぼ必ず行う、というのはあらゆる競技で唯一将棋だけ。
・野球でいえば巨人と横浜(※チーム名の記憶はあやふや)が試合後に監督同士で「このタイミングで交代とは意外だった」とか「あの配球はどうだったのか」などと話し合うようなもの。
・勝負をする同士で感想戦をするというのは奇妙に見えるかもしれない。
・主催紙の記事のために説明をすることもあるが、対局者自身の向上のために感想戦の意義は大きい。
・私がプロになりたての16~17くらいのころ、小堀九段という先生と対局があった。
・小堀先生は明治生まれのとても元気な人で、私も若かったので元気はあったが、対局が深夜に終わってそこから感想戦が朝6時まで続いた。
・夜中の3時頃には元の将棋とは全然違う展開になっていたので感想戦としてはどうなのかという点もあるが。
・さすがに朝6時頃になって先に失礼してしまったが、たいへん印象深い思い出になっている。

・私が将棋を覚えた子供のころ、大会などで必ず言われる3つのことがあった。
・まず「あいさつをしましょう」。対局が始まる時は「おねがいします」。負けたら「負けました」。そして最後に「ありがとうございました」。
・二つ目が「駒を片付けましょう」。対局が終わったら必ず40枚数えて駒をしまう。片付けるまでが対局。
・三つめが「ルールを守りましょう」指し手の上での反則やマナーも含めて、大会など大人数でやるときにはルールを守るのが大事。
・ほかの武道や書道などの習い事でも共通しているだろうが、将棋も子供がマナーや決まり事を守ることを学ぶ機会として優れている。
・特に将棋は遊びの中で身に着けることになるので子供にとって非常に良いのではないか。

・中国では明確に学力向上を目的として将棋を習わせる、ということがある。
・日本においてもそういうツールのひとつとしての選択もいいと思う。
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